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小学生、ランドセルの重さは… 海老名市教委が実態調査

社会 | 神奈川新聞 | 2018年11月30日(金) 02:00

登校時、小学生の持ち物の重さを測定する海老名市教委職員(市教委提供)
登校時、小学生の持ち物の重さを測定する海老名市教委職員(市教委提供)

 小中学生の通学時の荷物が重く、成長途上の体に過剰な負担になっていると指摘されている問題で、海老名市教育委員会は11月、市内の小中学校各1校で初めて実態調査を行った。教科書や学習用具が入ったランドセルなどの重さは、平均で小学生約5キロ、中学生約6キロ、最大でそれぞれ8.9キロ、13.2キロだった。身体に影響がない目安は「体重の15%まで」とも言われ、小学校低学年や中学1年生で超過が目立つ結果に、市教委は改善策の検討を始める。

 今回の調査は、子どもたちの体に過剰な負担になっているとの保護者らの指摘を受け、文部科学省が9月に全国の教委に出した携行品の重さと数に配慮を求める通知を踏まえた対応。通知はあくまで配慮を求めるもので、県教委は「県内の市町村教委が独自に実態調査をしたという話は他にあまり聞かない」としている。

 市教委によると、調査は市立中新田小で11月5、8日、同柏ケ谷中で19、22日に、それぞれ延べ280人、同426人を対象に実施。登校時に職員がランドセルや手提げかばんなどの重さを測定するとともに荷物の数を確認した。

 調査の結果(いずれも平均値)は、小学校では1・2年生が4・7キロで2・0個、3・4年生が5・1キロで1・8個、5・6年生が5キロで1・9個。中学校は1年生が7キロで1・6個、2年生は5・8キロで1・4個、3年生が5・4キロで1・3個。中学は所属する部活動などによってばらつきがあり、スポーツ用具などで10キロ以上を持ち運ぶ生徒も約1割いた。

 通知では、家庭学習に必要がない教科書やプリントなどの教材を机の中に置いて帰る「置き勉」を認めるなど、重い荷物の軽減に向けた具体例を示した。しかし、適正な重さの基準は示されておらず、学校現場には戸惑いも見られる。

 ある医療関係者は「過大な負荷が長時間続くと、背骨の椎間板に悪影響を及ぼす恐れがある」などとした上で「重さは体重の15%を超えないように」と助言している。

 この助言と今回の調査結果を照らし合わせてみると、小学校低学年では1キロ前後超過。新入学生や部活動に参加する中学生に負荷が大きい傾向が見られた。

 保護者の間には「暑い時期は熱中症対策で水筒も持参するので、体の小さい子は重くてかわいそう」「盗難・紛失が起きるから置き勉は認めないという学校側の考えは分かるが、教室の入り口を施錠すれば防げるのではないか」などと不満の声が聞かれる。

 県教委は「今回、文科省の通知に示された工夫例については、県内でも既に実践している学校がある。ただ、保護者と十分なコミュニケーションが取られているか懸念される」などと課題認識の共有化を求めた。

 市教委教育支援課は「学習指導要領の改定に伴って近年、教科書のページ数が増えて子どもたちの持ち物が重くなったという感じは持っていた。今回初めて実態を把握できたので、12月に各校に調査結果を報告し、改善に向けた取り組みについて協議を始めたい」と話している。

◆児童生徒の携行品にかかる配慮
 文部科学省が9月に全国の教育委員会に通知。身体の健やか発達に影響を生じかねない懸念が保護者らにある中、宿題や予習復習の重要性を踏まえつつ、教科書や学用品などのうち何を持ち帰らせるか、何を学校に置くこととするかについて保護者と連携して携行品の重さや量を改めて判断、検討することを求めた。

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