新型コロナウイルスの影響を受け、横浜港に今年寄港予定だったクルーズ船のキャンセルが120回に上ることが30日、分かった。市は寄港取りやめによる経済損失額について約144億円と試算。本格的な再開は今後も見通せず、地域経済への打撃はさらに膨らみそうだ。
クルーズ船の運航を巡っては、2月に横浜港に入港した「ダイヤモンド・プリンセス」で新型コロナの集団感染が起きるなど、世界規模で運航の自粛や中止が相次いでいる。横浜港は今年、過去最多となる約260回の寄港数を予定していたが、4月以降のキャンセルは120回に達した。市によると、今後も増える可能性があるという。
同日の市会常任委員会で、市港湾局が報告した。市は寄港回数の減少を受け、当初予算を4億円減額する2020年度一般会計6月補正予算案も示した。
今後の見通しについて、同局の中野裕也局長は「船会社からは、今秋ぐらいから国内のショートクルーズで再開したいと聞いている」と述べた。