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時代の正体〈648〉外国人受け入れ考(1)移住連集会から

社会 | 神奈川新聞 | 2018年11月24日(土) 10:38

【時代の正体取材班=柏尾 安希子】人手不足を背景に、新たな外国人労働者の受け入れ拡大を目指す入管難民法改正案などの審議が国会で進む。一方、日本で暮らす128万人の外国人労働者の人権は放置されてきた。改善に向けた議論を欠いた中での新たな受け入れに、支援団体からは懸念の声が上がる。政府が推し進めようとする外国人政策を検証し、必要な施策を訴えるNPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」(移住連)主催の集会が21日、参議院議員会館で開かれた。そこでは「外国人は生身の人間だ」との声が上がり、多くの外国人労働者が置かれた劣悪な環境や、法案の問題点への指摘が相次いだ。詳報する。

まっとうな移民政策を



 これまでは、人権派でさえ「移民」という言葉をあまり使わなかったが、ようやくメディアでも「移民政策」と言われるようになってきた。移民政策をとるか、とらないかと言うが、ナンセンスだ。移民はいるではないか。今ある移民政策はゆがんでいる。どう受け入れるのかではなく、まっとうな移民政策を求める。


住者と連帯する全国ネットワーク 鳥井一平代表理事
住者と連帯する全国ネットワーク 鳥井一平代表理事

 日本は移民政策をずっととってきた。1980年代から、バブル経済を背景にニューカマーがやって来たが、日本はオーバーステイ(滞在超過)の容認政策をとった。30万人を超えるオーバーステイが存在した。働き手がいないので容認したのだ。次は、日系人ビザ。当時の入国管理局局長は、中南米に出稼ぎに行った(日本人の)労働者に帰ってきてもらうと言ったが、彼らは実は、外国人だった。

 そして現在に至る外国人技能実習制度。研修・技能実習制度に始まり、技能実習制度の拡大という政策をとってきた。つまり、実はずっと受け入れ政策だった。この状態をゆがんでいると言っている。延長線上での議論だと、社会はゆがんだままになる。

 昨年10月の厚生労働省のデータでは、労働者として入国した人は19%しかいない。おかしいではないか。労働者の約40%が(本来の趣旨と異なる)留学生、技能実習生なのだ。産業別では、技能実習生は農業では外国人労働者の79%、建設では66・3%を占める。

 今回、特定技能1号、2号というが、留学生から移行してこいということだ。留学生は2006年から3倍ぐらいに膨れ、32万万4千人ほどいる。その労働者比率は83%。留学生の8割以上が働いている国など、世界中探しても日本だけ。働くために留学しているのだ。

 だから不正行為、人権侵害、強制帰国になってもみんなおかしいと思わない。技能実習制度などについて米国は、人身売買報告書で奴隷労働だと指摘している。だが、日本ではおかしいと議論ができない。

 私たちは恐ろしい制度をずっと使ってきたと考えねばならない。がんじがらめの実習生を奴隷労働構造に置いてきた。そして今も、その中に外国人労働者を置こうとしている。場当たり的な受け入れでは、私たちの労働基準や人権、民主主義社会が問われてしまう。

 労働者は地球上を移動する。どうやって移動を担保するか、保障できるかを真剣に議論してほしい。すでに始まっている多民族多文化共生社会を直視すべきだ。移民の存在なくしてこの社会はなりたたない。

 社会保障や行政サービスといった課題は、外国人労働者の問題ではなく、この社会の問題。社会がそういうレベルだということだ。出稼ぎ労働者が国に帰ってもしっかり生活できるような受け入れ方、移動のしかたが必要で、労働災害のフォローアップもしなければならない。これを国会で正面から話さなければならない。移動することで人類は進歩してきた。そのことを忘れてはいけない。



 もう1度言う。移民はここにいる。まっとうな移民政策を求める。こうした議論をしていくチャンスだ。

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