
日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者が逮捕されたことを受け、黒岩祐治知事は22日の定例会見で「カリスマ的経営者の逮捕に非常に大きな衝撃を受けた」と説明。その上で「事件の本質は何なのか、謎が多い。多額の報酬がある人がカネをごまかすことは、私の金銭感覚では想像できない」と述べ、真相究明が必要との認識を示した。
日産については「日本や神奈川にとって重要なパートナー」とし、「信用の根幹を揺るがす事件を受けていかに信頼回復に努めていくか、熱い目で見守っていきたい」と続けた。
一方、前知事の松沢成文希望の党代表(参院神奈川選挙区)も22日の会見で「絶対的権力は腐敗するということなのか」と指摘。知事時代に本社の横浜移転を巡りゴーン容疑者と交渉を重ねたとし、「鋭い眼光と早口でまくしたて、辣腕(らつわん)経営者とはこういう迫力があるのかと感心していたのだが」と残念がった。
県内には日産や子会社と取引がある企業が多く、今回の事件が地域経済に及ぼす影響は未知数。県は関連する中小企業などに相談窓口の活用を呼び掛けるとともに、売り上げ減少など具体的影響が顕在化した場合は「国と連携して金融面の支援などを速やかに講じていく」(黒岩知事)としている。