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時代の正体 差別のないまちへ
元日本第一党幹部 7月ヘイト街宣計画 川崎市条例敵対視

社会 | 神奈川新聞 | 2020年6月30日(火) 05:00

日本第一党のヘイト街宣でスピーチする渡辺氏(左端)=2月9日、JR川崎駅東口
日本第一党のヘイト街宣でスピーチする渡辺氏(左端)=2月9日、JR川崎駅東口

 ヘイトスピーチを犯罪として処罰する「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が7月1日に全面施行される同市で、同12日にヘイト街宣が計画されていることが分かった。主催者はデマを交えたヘイトスピーチを常習的に繰り返している差別主義者で、市は条例違反の差別的言動が行われる可能性があるとして現場で発言を記録する。全国初の刑事罰規制の運用が始まる最初のケースとして、市の対応が注目される。

 これまでヘイト街宣が繰り返されてきたJR川崎駅東口で行われる。全国の差別主義者・団体のヘイトデモ・街宣のスケジュールを掲載するサイトで「7月から施行された川崎ヘイトスピーチ条例のもと、堂々と街頭演説会を開催する」と告知されている。

 主催者は渡辺賢一氏。差別団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)から生まれた極右政治団体「日本第一党」の県本部長代理を2月まで務め、大音量のマイクで「殺すぞ」と脅したり、外国人追放をアピールする旗でマイノリティー市民を迫害したりするヘイト街宣を同駅前で主催してきた。第一党を離れた後は「日の丸街宣倶楽部」を立ち上げ、無告知の街宣を数人で繰り返している。

 荒唐無稽なデマを用いて在日コリアンを攻撃する異様な言動が特徴的で、2月9日の第一党の街宣ではマイクを手に「朝鮮人が政界や財界、警察、メディアに入り込み、日本民族を支配しようとしている」と発言。日本人や日本社会の敵とみなす排除型のヘイトピーチに続けて、「影響力を使って日本人差別の条例をつくろうが日本人は侍の民族。必ず川崎を取り戻す」と暴力をにおわせる脅迫型の差別的言動を行った。

 6月6日や同20日には、元日本軍慰安婦の被害者を「うそをついている」とおとしめ、「朝鮮人は野蛮。戦後暴れ続けて治安が悪化し、私どもが何も言えなくなった。それが今も続いている」などと、やはり虚偽の事実に基づき民族をひとくくりにする侮辱型のヘイトスピーチを行っている。

 3月から弁士として参加する人物も、差別を助長するとして世界保健機関(WHO)が使わないよう指南する「武漢ウイルス」という呼称を連呼、中国人の蔑称を用いて「シナ人が憎い」と憎悪をあおっている。

 市人権・男女共同参画室は渡辺氏の過去の言動から条例の禁じる差別的言動が行われる可能性があると判断。現場に職員を派遣し、参加者を含めた言動を録音することにしている。

おことわり 記事には差別的な文言がありますが、そのまま報道します。差別の実態を共有し、あらゆる差別を許さない社会をつくっていく一助にするためです。


【解説】公明正大に対峙を

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