女性の右腕を竹の棒でたたいてけがを負わせたとして、傷害の罪に問われた横浜市旭区の男性(76)の判決公判が22日、横浜地裁であった。景山太郎裁判官は「検察官の主張、立証はいかにも不十分と言わざるを得ない」として、無罪(求刑懲役10月)を言い渡した。
公判で男性は暴行の事実を否定し、無罪を主張。男性に暴行を受けたとする女性の証言の信用性が主な争点となった。
景山裁判官は判決理由で、女性の証言通りに男性が棒を振り下ろしたとすると、「負傷部位に当たることはほとんど考えがたい」と指摘。棒の大きさや形状などとの比較から「負傷の程度も大きすぎるきらいがある」とし、暴行の事実を認定できないとした。
横浜地検の山口英幸次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントした。
判決によると、男性は昨年7月5日午後、横浜市旭区の路上で、犬を連れて散歩中だった女性とトラブルになった。その際に、持っていた竹の棒で女性の右肘付近をたたき、全治約10日の挫傷を負わせたとして、起訴された。