2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、鉄道利用者が急増する川崎市中原区の武蔵小杉駅周辺で14日、災害時の帰宅困難者の対策訓練が行われた。鉄道事業者や行政機関をはじめ、地元の商業施設、自治会、周辺で働く外国人ら約170人が参加。聴覚や視覚障害者、外国人ら配慮が必要な人への対応を確認した。
同市で発生した直下型地震(M7・3)で震度6強の揺れを観測し、鉄道全線が運行を停止したとの想定で実施。帰宅困難者役の参加者を一時滞在施設に指定されている中原市民館へと誘導した。
信号の点灯を一時中断し、中原署員が手信号で車両に指示を出すなど本番さながらの訓練に、初参加したカナダ国籍の男性会社員(25)は「駅員や警察官がたくさんいて貴重な経験になった。駅周辺で働く身にとって緊急事態にとても役立つよ」と話した。
向坂光浩中原区長(57)は「訓練を通して、顔見知りになり、互いに助け合う地域となってほしい。区を訪れる人を地域で守りたい」と決意を語った。
中原区にある等々力陸上競技場は、東京五輪・パラリンピックで英国の事前キャンプ地にもなっている。