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【社説】横浜・指定管理者変更問題 熟議重ね指針見直しを

社会 | 神奈川新聞 | 2018年11月14日(水) 09:52

 横浜市鶴見区の市立3公園の指定管理者が、年度途中にもかかわらず変更される事態となった。公園を管理してきた会社が関連業務を別会社に承継したからだ。

 5カ月の指定期間を残した上での変更は、極めて異例だ。指定管理者の権利の承継などを禁じた協定書に違反するとの指摘が市議からなされたものの、市は2018年度第3回市会定例会最終日に関係議案を提出し、可決された。

 市側は今回の事例を想定外と認めつつ、協定違反には当たらないと主張している。しかし、この説明で理解を得るのは難しかろう。

 市は指定管理者制度の運用に関するガイドラインを見直す方針も示している。想定外の事態が起きないように徹底した議論が必要だ。

 市などによると、「入船」「潮田」「東寺尾一丁目ふれあい」の3公園は、日産自動車のグループ会社・日産クリエイティブサービスが19年3月末まで指定管理業務を行う予定だった。

 しかし、同社とサカタのタネが18年3月、サカタの新設する子会社に吸収分割する形で、指定管理を含む事業を承継するとの契約を締結。同年10月31日、新会社・サカタのタネグリーンサービスに正式に承継された。

 一部の市議が疑義を呈したのは、市と日産クリエイティブが交わした基本協定書に、取得した権利や義務の第三者への譲渡、承継を禁じる規定があったからだ。市が18年度の残り期間の管理業務について再公募しなかった点も問題視している。

 一方、市側は公園管理業務を担っていた日産クリエイティブ従業員がそのままサカタのタネグリーンサービスに雇用され、市民サービスは継続されることや、年度途中の再公募は時間的に厳しい点などを総合的に判断したと強調。

 指定管理者の指定については市会の議決を必要としており、指定管理者の権利を売買したわけではないとしているが、説得力に欠ける。

 残存指定期間も管理者としての責任を果たすよう強く求めるべきではなかったか。市議からは「悪意のある事業者が制度を悪用することも考えられる」との指摘も聞かれた。賛成多数で可決されたとはいえ、市は重く受け止めなければなるまい。

 見直されるガイドラインは、事業者に都合良く解釈され、言い抜けられる内容であってはならない。

 
 

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