
第一線で活躍する医師を招いた講演会が13日、川崎市多摩区の県立多摩高校で開かれた。医療ロボット「ダヴィンチ」を使った手術で有名なNTT東日本関東病院泌尿器科部長の志賀淑之医師が来校。3年生約280人が最新の医療や学ぶことの大切さについて思いを巡らせた。
志賀医師は「医療技術革新時代を迎えて、若い世代に期待すること」と題して講演。患者の負荷が少ない腹腔(ふくくう)手術を支援するため「ダヴィンチ」が生まれてきたとした上で、その手術を確実に成功させるため、3Dプリンターで作った臓器とがん細胞の模型、仮想現実(VR)などの最新技術も駆使してナビゲートや練習を繰り返していることを紹介した。
医師の心得として、ベッドに寝ている患者と話す際には必ず同じ高さの目線にしていることにも言及。「今後、医工連携でロボットが診断を行う時代が来ると思うが、そんな時代こそ、思いやりや心のある医者が求められる」とし、命や他者への感謝を大切にするよう呼び掛けた。
大崎裕喜さん(18)は「Impossible(不可能)の初めの2文字Im(アイアム)を取って『不可能を可能にするのは自分次第』と言った言葉が印象に残った。この言葉を大切にしていきたい」と話していた。