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個人の尊厳守る教育を 元文科次官・前川さん 横浜で講演

社会 | 神奈川新聞 | 2018年11月13日(火) 16:56

高校教育について語る前川さん=横浜市中区
高校教育について語る前川さん=横浜市中区

 高校教育の在り方について考える集会が11日、横浜市中区で開かれた。元文部科学事務次官の前川喜平さんが講演、参加した高校教員らに「個人の尊厳を守る教育を進め、自分で考え、判断し、行動する市民を育ててほしい」と呼び掛けた。県立高校教員らでつくる県高等学校教育会館教育研究所の主催。

 2022年度から実施される高校新学習指導要領で必修科目になる「公共」は、小中学校での道徳教科化に続いて高校での道徳教育の柱と位置付けられている。前川さんは「自民党の政治的な意図によってつくられた教科。国家主義的な道徳教育にならないか懸念している」と述べた。


高校教育をテーマに前川さんが講演した集会=横浜市中区
高校教育をテーマに前川さんが講演した集会=横浜市中区

 また、個人の権利を守るために国家権力の行使を制限し、国に果たすべき義務を課す「立憲主義」を徹底させるための方策の一つとして、「国民の義務」とされる義務教育について規定した憲法26条2項の改憲案を披露。民主党政権による高校無償化は「高校までの子どもの学習権を国が保障するためのものだった」と説明した上で、無償化から除外された朝鮮学校などを念頭に「国籍を問わず、すべての人が高校までの教育を無償で受ける機会を国が保障するという条文に変えてみてはどうか」と提案した。

 約110人が参加した会場との質疑応答では、生徒の関心・意欲・態度を測るとして県立高校で採用されている観点別評価について「人格そのものの評価につながりかねない」と指摘。政治からの圧力や教育行政による管理統制が強まる中、「生徒の主体的な学びを支えるには、教員は忖度(そんたく)したり、迎合したりせずに主体的な存在であってほしい」とエールを送った。

 
 

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