
建築士の資格がないのに実在する2級建築士と建築事務所名をかたって住宅の設計などをしたとして、県警生活経済課と平塚署は13日、建築士法違反と有印私文書偽造・同行使の疑いで、横浜市戸塚区柏尾町、自営業の男(51)を逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は2016年7月、資格がないにもかかわらず、延べ床面積が100平方メートルを超える茅ケ崎市の新築木造住宅の設計を行った上、県内に実在する2級建築士と建築士事務所の名義をかたって建築確認に必要な申請書を偽造、平塚市の指定確認検査機関に提出した、としている。
同課によると、同容疑者は13年9月から今年3月まで、同様の手口で県内と都内の55件の設計に関わっていた。同課は年間約330万円の報酬を得ていたとみて調べている。
県によると、同容疑者が関与した55件のうち茅ケ崎(12件)、藤沢(2件)、横浜(1件)、鎌倉(1件)の4市にある計16件で建築基準法に適合しない部分を確認した。柱とはりの接合部分の金具の強度が足りないなどしたが、倒壊の恐れはないとしている。
今年4月、検査機関が申請書類に関して、2級建築士の事務所に連絡したことから不正が発覚。県が8月に平塚署に刑事告発していた。
同課によると、同容疑者は2級建築士と00年ごろに建築関係の勉強会で知り合ったといい、仕事上で連絡を取り合うことがあった。2級建築士は、名義を使用されていたことを知らなかったという。