「津波防災の日」(5日)を前に、大津波を想定した訓練が三浦市の三崎港などで行われた。県と同市の主催で、自衛隊や海上保安庁、県警など27の関係機関から計約1500人が参加。沿岸に住む地域住民も高台まで避難するなどし、備えの意識を新たにした。
訓練はマグニチュード(M)8・5の地震が発生し、7分後に高さ11・2メートルの津波が港に到達するとの想定で行われた。
行政などは防災行政無線に加え、拡声器を付けた小型無人機「ドローン」も使い、安全な場所に避難するよう市民らに呼び掛けた。
港近くの複合施設「うらり」にいた観光客らはパトカーに先導され、津波避難ビルに指定されている三崎水産卸売市場の7階まで避難。沿岸に住む市民も近くの高台へ移動した。
津波到達後の引き波で海に流された市民を救助したり、ドローンやヘリコプターで被害状況を上空から確認したりする訓練も行われた。
終了後、浅羽義里副知事は「住んでいる地域の標高の確認や、迅速な避難行動の必要性を改めて認識してもらえた」と講評。「訓練の成果を十分に生かし、災害への備えを万全なものにしてほしい」と呼び掛けた。
政府は2011年の東日本大震災の教訓を風化させないため、大津波が紀伊半島や四国などを襲った安政南海地震(1854年)にちなみ、5日を「津波防災の日」に定めた。
5日には政府主催のシンポジウムが川崎市で開かれる。