
電気通信機器の製造・販売会社の営業秘密を取引先に漏らしたとして、県警生活経済課と多摩署などは31日、不正競争防止法違反の疑いで滋賀県長浜市、会社員の男(59)を逮捕した。漏えいを教唆したとして、同法違反の教唆容疑で、香港在住で取引先の会社役員の男(45)も逮捕した。
会社員の男の逮捕容疑は、2016年7月19日ごろ、取締役だった電気通信機器の製造・販売会社(川崎市多摩区)の光通信部品の設計図面3枚をUSBメモリーに読み取り、業務用パソコンから取引先の会社役員の男にメール送信した、としている。会社役員の男は同日、会社員男に「図面などあれば提供してください」という趣旨のメールを送信して営業秘密の漏えいを唆した疑いが持たれている。同課は両容疑者の認否を明らかにしていない。
同課によると、漏えいしたのは光ファイバーの接続面の研磨度合いを測定する機器の設計図という。16年10月に会社役員の男の会社が秘密の漏えいに関し県警に相談していた。会社役員の男は会社側の調査に、営業秘密を流出させたことを認めたといい、同11月に取締役を解任された。