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「韓国に帰ればいい」 爆破予告の男、同僚男性に差別発言

社会 | 神奈川新聞 | 2020年6月16日(火) 05:00

川崎市が差別発言を調査して1994年にまとめた事実確認調書
川崎市が差別発言を調査して1994年にまとめた事実確認調書

 多文化交流施設「川崎市ふれあい館」などに在日コリアンへの虐殺や同館の爆破予告を送ったとして元市職員で無職の男(69)=同市川崎区大島1丁目=が威力業務妨害容疑で再逮捕された事件で、職場の同僚だった在日2世の男性職員が、在職当時の同容疑者から差別発言を受けていたと証言した。この職員は、同容疑者が横浜市の私立高校に爆破を予告する手紙を送った際、差出人として名前を悪用されたという。同容疑者は県警の調べに、「職員とトラブルがあり、陥れるためにやった」と供述している。

 差別発言を受けた市環境局勤務の金久高(キムクゴ)さん(45)が神奈川新聞社の取材に応じた。

 金さんによると、入庁翌年の1994年3月、市下水道局(当時)の職場で民族名を使いたいと相談したところ、同僚から「立派な名前がありながら何でそんなことをするんだ」「朝鮮人は怖い。韓国・朝鮮名を名乗るなら一緒に働きたくない」などと差別発言を受けた。同容疑者からは「韓国人として生きていくなら、韓国に帰ればいい」と言われた。

 金さんは在日1世の父と日本人の母の間に生まれ、両親の「差別に遭わないように」との願いから日本国籍、日本名で生きてきた。父の死を機に「差別から隠れるような生き方はやめよう」と戸籍名の変更を決意。裁判所に認めてもらうには民族名が日常生活で定着している必要があった。

 金さんから相談された市民団体「民族差別と闘う神奈川連絡協議会」は、蔑視と無理解に基づく民族差別として問題視。市職労からの申し入れもあり、市は発言の事実確認調書を作成、発言者と局長が金さんに謝罪した。再発防止に向け助役名の通達が出され、同局の全職員を対象に研修も行われた。

 その後、金さんが職場で差別に遭うことはなかったが、市関係者によると、同容疑者はこの件に絡めて自分の処遇に不満を漏らすことがあった。

 市人事課は同容疑者が再逮捕された12日夜に調書の存在を把握したといい、「金さんが差別発言を受けていた事実は確認したが、匿名表記のため発言者が誰かは分からない。同容疑者のその後の言動についても把握していない」としている。

被害の職員、「再発防止、今度こそ」

 かつて差別発言を受けた同容疑者の逮捕に金久高さんは「終わった問題と考えていたのでまさかと思った。当時のつらい記憶がよみがえり、差別で受けた傷の深さを思い知らされている」と声を落とす。

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