新型コロナウイルスの影響による一斉休校の解除から約2週間が経過した県内の公立学校で、給食再開の動きが広がってきた。15日は横浜市や川崎市で昼食が始まり、子どもたちは新学期になって初めてクラスメートと食事時間を共有。ただ、食事中の会話が禁止されるなど感染リスクを減らす対策の徹底に戸惑いもみられ、教室が笑顔で包まれる光景は影を潜めた。
「お代わりしたい人いますか」。川崎市立小杉小学校(同市中原区)の給食の時間、6年1組の教室に担任教諭の声が響いた。
献立の縮小は「楽しみが減る」と見合わせたものの、以前は各自で自由にしていた「お代わり」は担任が食事前に配るスタイルに変更。ドレッシングやふりかけなども個別包装に切り替えた。
この日はビビンバやニラ玉スープなど4品が提供されたが、献立の読み上げやマスクを外しての「いただきます」のあいさつは中止に。食事中も会話はせず、食べ終わった子どもたちは再びマスクを着用し、着座したまま全員が食べ終わるのを待った。
児童(12)の1人は会話ができず残念としつつも、「休校期間中は1人で昼食を食べており、みんなと食事ができただけでも楽しかった」と笑顔を見せた。
川崎市内では市立の小学校114校と中学校52校などで給食を再開、段階的に授業時間を長くしている。
「もうしゃべってはいけません。困ったことがあれば手を挙げてください」