新型コロナの影響で困窮する市民を救おうと、NPO法人「フードバンクひらつか」は13日、平塚市福祉会館(同市追分)で1世帯につき米3キロを無償提供した。2時間で約70人が訪れ、計約200キロを配布。受け取った市民からは感謝の言葉が相次いだ。
配布した米は臨時休校で廃棄予定となった学校給食用で、市から寄贈を受けた約3トンを活用した。非正規労働者の雇い止めや給食休止に伴う食費増など、コロナの影響が直撃する困窮世帯からフードバンクへの支援要請は10倍近くに急増。従来のひとり親世帯などから支援の手を広げ、市社会福祉協議会も協力した。
米を受け取った市内の男性(72)は「コロナの影響で再就職先も見つからない。自宅の米も尽き、手持ちの金も千円しかなく困っていたのでありがたい」と笑顔。別の男性(49)は「会社の経営状況も悪化している。市などが支援へ行動してくれていることはうれしい」と感謝した。
また、子ども2人を育てているシングルマザーの女性(28)は「保育園の利用も自粛していたので職場復帰が遅れた。子どもが小さく、買い物に行くのも感染症が不安」と話した。
フードバンクの久松周史副理事長は「コロナ禍で困窮していながら支援の手が届いていない世帯も多い。支援の存在を知ってもらい、気兼ねなく声を上げてほしい」と呼び掛けた。