診療回数を水増しするなどした虚偽の書類を提出し、診療報酬を詐取したとして、県警暴力団対策課と厚木署は22日、詐欺の疑いで歯科医師2人を逮捕した。県警によると、不正は10年近く行われていたとみられ、詐取額は数億円に上る可能性がある。
逮捕されたのは、ともに歯科医師で東京都品川区の容疑者(55)と、同目黒区の容疑者(37)の2人。
逮捕容疑は共謀して、目黒区の容疑者が経営する都内の歯科医院で、患者の診療回数を28回分水増しして、虚偽の診療報酬明細書を作成し、東京都新宿区に提出。2016年9月~17年10月まで同区から12回にわたり計約12万円を詐取した、としている。調べに対し、2人は「間違いない」と容疑を認めている。
同課によると、詐取した診療報酬は品川区の容疑者が管理していたといい、14年ごろに知り合ったという目黒区の容疑者との関係を調べる。品川区の容疑者は10年ほど前から、都内などで複数の歯科医院の経営に関与。調べに対し、09年ごろから同様の手口で不正請求を繰り返していたとの趣旨の供述をしているという。同課は11年以降に多いし容疑者らが受け取った診療報酬約9億円のうち、7割程度は不正請求だったとみて、裏付け捜査を進める。
県警は2月に関係先3カ所を家宅捜索し、約1600人分の診療記録を押収。背後に暴力団組織などの関与がないかも調べる。