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新型コロナ
心の健康相談、4月は「1割増」 外出自粛、休校が影響か

社会 | 神奈川新聞 | 2020年6月12日(金) 05:00

「不確かな情報が流れるSNSなどから離れることも、心の健康を守るために大切」と話すゆうきさん=東京都台東区
「不確かな情報が流れるSNSなどから離れることも、心の健康を守るために大切」と話すゆうきさん=東京都台東区

 新型コロナウイルス感染症で、社会全体が経験したことのない不安に包まれた数カ月。横浜市こころの健康相談センターに4月に寄せられた電話相談は、前年同期に比べ約1割増えたことが11日、明らかになった。緊急事態宣言に伴う外出自粛や学校の一斉臨時休校などが影響しているとみられ、専門家は「不安にのみ込まれないよう、客観的に自分の思考を見つめることが大切」と呼び掛けている。

 市によると、同電話相談の2019年の実績は7152件。今年3月は582件の相談があり、「約半分は『自分が罹患(りかん)していないか心配』など、コロナに関係したもの」だった。4月は631件で、前年に比べ57件増加。「外出自粛で気持ちがふさぐ」「気分転換したいけれど、外に出られない」といった声が多く寄せられたという。

 一方、5月(未集計)は大型連休中に活用されたケースが多く、「4月よりも増加している」状況。学校や企業が再開し多くの人が移動した今月1日は、会員制交流サイト(SNS)でも「満員電車に乗りたくない」「ウイルスが怖い」などの投稿が相次いだ。

 ウイルスとの共存やさまざまな制約が求められる社会で、今後も高まるとみられる不安やストレス。心や体に変化を来し、重症化する前にどう対処すればいいのか─。

 依存や鬱(うつ)などをテーマにした「マンガで分かる心療内科」(少年画報社)の原作者で、横浜などでメンタルクリニックを開くゆうきゆう医師(44)は「不安や緊張は、周囲に話すことで安心感を得られる」と説明。他人に打ち明けにくい場合は「主観と客観を1対1にした日記を書くことで解消される」と話す。

 例えば、「電車に乗ったら、人が多くて不安になった」と記し、数日後に見返すと「ここまで悩む必要はなかった」と、心の変化に自分で寄り添うことができる。それでも「不安」が頭から離れない場合は趣味や好きなことに打ち込み、不安だと感じる時間を少なくすることが効果的という。

 その上で、「コロナを気にすることはおかしなことではない。でも『仕事が手に付かない』『感染が怖くて恋人と触れ合えない』など困ったことが発生したときは、心療内科などを受診する判断基準にしてほしい」と説明している。

 市こころの健康相談センターは、電話045(662)3522(平日午後5時~9時半。土日・祝日午前8時45分~午後9時半)。

 
 

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