
油圧機器メーカーKYBと子会社による免震・制振装置の検査データ改ざん問題は、安全性の高さを強みとする建築物への信頼を大きく揺るがす事態となった。相次ぐ震災を背景に、公共建築物だけでなく民間施設でも多用される中、県内の不動産業界関係者は被害の深刻さに困惑し、「見抜くのは困難」。安心を求めた免震マンションの購入者は「自宅は大丈夫なのか」と不安と怒りを募らせる。
数値信頼するしか…県内業者困惑
データ改ざんされた疑いのある免震・制震装置は民間の免震マンションにも使用されていた。県内でも展開する大手マンション開発業者の担当者は「うちの物件でも使っていた。業界最大手の装置メーカーだけに、免れている大手はほぼないのではないか」と困惑する。
県内に本社を置く不動産会社では問題発覚直後から、不正の疑いがある装置が使われた物件がないか、検索に追われた。既に売却済みの物件で数件に使われていることが分かり、管理組合を通じるなどして対象物件の住民に通知を出しているという。
同社の担当者は