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ネット被害どう救済 集会で専門家「ヘイト禁止規定を」

社会 | 神奈川新聞 | 2020年6月10日(水) 14:00

 インターネットの匿名性を悪用した人権侵害が横行する中、被害を食い止める法制度を求める声が強まっている。ヘイトスピーチを含めた規制を考えるオンライン集会が9日に開催され、弁護士やジャーナリストらの有志も政府に対策を要請した。5月下旬には女子プロレス選手の木村花さん(22)がツイッターで「ネットリンチ」にさらされ、急死。害悪の深刻さを踏まえ、表現の自由の不当な規制を防ぎつつ、被害者をいかに救済するかが焦点になっている。


「Zoom」を使い国会議員も参加したオンライン集会
「Zoom」を使い国会議員も参加したオンライン集会

 弁護士や研究者でつくる「ネットと人権法研究会」が主催したオンライン集会には国会議員を含む約170人が参加した。

 上瀧浩子弁護士は在日コリアンの女性ライターがまとめブログを相手取った民事訴訟から深刻な被害を報告した。人格を否定し、排斥するへイトスピーチが指先一つで大量に拡散し、永久に残るというネット特有の加害の様態を指摘。外国人や女性への攻撃が激化する複合差別の暴力性を示して「ネットの中の攻撃がいつ現実化するかという不安があった」。人を人とみなさない差別に基づく迫害ゆえ、平穏な日常生活と心身が破壊されるという害悪の大きさを解説した。

 プロバイダー企業に違法なヘイトスピーチを24時間以内に削除するよう義務付けたドイツの法律を紹介した金尚均(キムサンギュン)・龍谷大教授は「一番の課題は被害をいかに最小限化させるか。書き込みが消えないと被害と加害が継続する。迅速な削除が重要だ」と強調した。

 総務省では匿名の行為者を特定しやすくするため、発信者情報の開示手続きの容易化などの検討が進められ、自民、公明の両与党もプロジェクトチームを立ち上げ議論を始めている。ネットと人権法研究会がまとめたモデル法案では、権力による表現の自由の恣意(しい)的な規制を防ぐため、書き込みが人権侵害か否かを判断する専門性、独立性を有した第三者機関の設置を提唱しており、師岡康子弁護士は「権力の乱用防止には何を規制するかを明確にすることも大事。ネット上の人権侵害で大きな問題となっているヘイトスピーチの禁止規定を入れるべきだ」と指摘。今秋にも想定される法案提出へ「被害者救済の観点から必要な法整備を求め、多くの人が声を上げてほしい」と呼び掛けた。

 立憲民主党の有田芳生参院議員は「政治家への批判まで規制されるのは問題。誹謗(ひぼう)中傷一般ではなく人権侵害にどう対処するかが議論の核心に置かれなければならない」と発言。公明党の矢倉克夫参院議員も「匿名の過激な言動に対処することは表現の自由を守る意味でも重要だ」とのメッセージを寄せた。

政府に対策要望書 弁護士らがネットワーク

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