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時代の正体 共生を求めて
就学訴訟の波紋(上) 苦渋の転居で希望かなう

社会 | 神奈川新聞 | 2020年6月10日(水) 09:12

 重度障害を理由に特別支援学校を就学先に指定した川崎市と県の判断を違法として、訴訟を起こした光菅和希君(8)と両親が今春、東京都世田谷区に転居した。3月の一審判決での敗訴を受けた苦渋の決断だったが、転居先では区立小学校の通常学級への就学が認められ、3年生になってようやく念願がかなった。住み慣れた地域を離れざるを得ない現実と自治体の温度差に複雑な思いを抱きながらも、「何とか前を向いていきたい」と新たな一歩を踏み出した。


公園で遊んだ後、わが家に帰ってきた光菅和希君と父の伸治さん。住み慣れた地域からの転居を余儀なくされた=2月10日、川崎市内
公園で遊んだ後、わが家に帰ってきた光菅和希君と父の伸治さん。住み慣れた地域からの転居を余儀なくされた=2月10日、川崎市内

 和希君は全身の筋力が弱い難病「先天性ミオパチー」を患い、人工呼吸器を付けて生活する。2018年度の就学に際し、一家は地元の川崎市立小学校を希望したが、市と県の両教育委員会はその意向を退け県立特別支援学校を指定した。

 「川崎に住み続けても小学校就学への見通しは立たない。失われた2年間はもう戻らないが、これ以上和希を待たせるわけにはいかない」

 行政にも司法にも希望が認められずに追い込まれた父伸治さん(51)、母悦子さん(50)に残された選択肢は転居しかなかった。地域で支えてくれた人たちとの別れを余儀なくされ、18年にわたって暮らした戸建て住宅は手放さなくてはならない。「何よりも和希が安心して『ただいま』と帰ってこられるわが家を離れなくてはならないのがつらい」。それでも、わが子の希望をかなえるために苦渋の決断をした。

 3月下旬、伸治さんが生まれ育った東京都世田谷区に転居届を提出したところ、その日のうちに小学校就学が決まった。区では本人と保護者の希望に沿って就学先を決めていると伝え聞いていたが、希望がかなう確信があったわけではなかった。就学通知書を手にしても半信半疑で、それほど教育行政への不信感は強かった。

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