大和署と大和市は1日夜、風営法や消防法などに基づき、大和駅前の社交飲食店など33店舗を無通告で点検した。法務省東京入国管理局横浜支局も協力。計91件の違反を確認し、客引きの疑いで1人を逮捕した。マッサージ店で、従業員が姿をくらます一幕もあった。
「女性が消えた」。入管職員が従業員の在留資格を確認していたさなか、異変に気付いた。査察団が2畳ほどの部屋に急ぐと、サービスを受けていたという男性客が1人。「突然、女性がいなくなった」と打ち明けた。
ここは、雑居ビル4階の角部屋。出入り口は査察団が固めていた。「薄着のまま、どこへ消えた?」。部屋中をくまなく捜すと、屋外の通路に続く扉が見つかった。隣接するビルに渡れば、階段を下って地上から逃げられそうだ。まちに寒風が吹いていた。
警察と行政一体の駅前対策は2015年10月に始まり、合同点検は6回目。強制権のない任意の立ち入りは、こうした「いたちごっこ」(捜査員)を伴うが、点検の積み重ねで裏をかく捜査にもつながった。大和署はこの夜、点検2時間後に私服警察官が再び駅前を巡回し、中国籍の女(45)を県迷惑行為防止条例違反(客引き)容疑で現行犯逮捕した。
この点検に県警生活安全総務課と生活保安課も同行し、計約70人が参加した。