神奈川県内各地に暴風をもたらした台風24号による住宅の被害が300棟以上で確認されたことが5日、県の集計で分かった。屋根が吹き飛ぶなどの被害が相次いでおり、横浜市で10棟、真鶴町では1棟が半壊となるなど、深刻な状況が明らかになってきた。
県の集計によると、5日正午現在で確認された住宅の被害は計328棟。半壊の11棟を除くと、317棟が一部損壊で、このうち252棟が横浜市に集中している。
そのほかの地域では茅ケ崎市の22棟が続き、秦野市と座間市は各9棟、大和市8棟、三浦市5棟、寒川町と二宮町が各3棟、愛川町2棟、相模原市、藤沢市、逗子市、綾瀬市がそれぞれ1棟と、被害は広範囲に及んでいる。全壊は確認されていない。
横浜市内では、飛ばされた住宅の屋根が周辺の住宅や農地などに被害を及ぼしたケースが相次ぎ発生。被災者は修復作業とともに、罹災(りさい)証明書の発行手続きなどに追われている。
住宅以外の建物でも横浜市を中心に63棟に被害が生じ、公共施設も9棟が損壊した。
また、5日午前6時すぎには、JR南武線と鶴見線で送電トラブルが起きた。台風24号の塩害による停電が首都圏で相次いでいるが、JR東日本横浜支社は「塩害かどうかは不明。原因は今後調べる」としている。
トラブルは南武線と線路を共用する貨物列車が浜川崎駅(川崎市川崎区)付近で停電により自力で走行できなくなったことで発生。鶴見線は3時間後に運転を再開したものの、南武線尻手-浜川崎間の再開は午後4時ごろにずれ込んだ。計104本が運休するなどし、約2万3千人に影響した。