
遠隔操作できるコンピューターウイルスをダウンロードさせたとして、県警サイバー犯罪対策課と南署は1日、不正指令電磁的記録供用の疑いで、和歌山県有田川町、県立高校1年の男子生徒(16)を逮捕した。同課によると、男子生徒は逮捕前の任意の調べに対し、「(ウイルスは)ネット仲間からもらった」と説明。県警は組織的にウイルスをやりとりするグループがあるとみて捜査している。
逮捕容疑は5月、遠隔操作ウイルスを無料アップロード提供サイトのサーバーコンピューターにダウンロード可能な状態にして、横浜市南区の塗装工の男性(21)にダウンロードさせた、としている。同課によると、男子生徒は容疑を認めている。
同課によると、男子生徒は無料オンラインゲームを自分に有利に動作させる不正プログラム(チートツール)にウイルスをみせかけていた。感染したパソコンを遠隔操作で勝手にゲームにログインしたり、インターネット電話を盗み聞きしたりしたほか、感染したパソコンの利用者名義でネットオークションで買い物をして、送り付けるなどしていた。男子生徒は逮捕前の調べで「(自分が真面目にやっている)ゲームでチートツールを使っているやつが許せなかった」と話していた。
男性はゲームにログインできなくなり、ネット電話で知人に相談。パソコン画面に「全部聞こえてるよ。ばーか」とメッセージが表示され、発覚した。
同課によると、男子生徒のウイルスは4月末からの3カ月間で、少なくとも約1700回ダウンロードされたとみられる。男子生徒は「おととしの春ごろからやっていた」と話しており、県警は静岡、宮城県警と合同で余罪を調べている。