新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が神奈川を含む首都圏1都3県でも解除され初めての週末を迎えた30日、県内の観光地は多くの家族連れやカップルなどでにぎわいを見せた。飲食店や土産物店が感染防止策を講じながら営業を再開。観光客は久しぶりの外出を喜ぶ一方、再び感染が拡大することへの不安の声も聞かれた。
【横浜】
横浜中華街(横浜市中区)では4月から多くの店が営業を自粛していたが、一部の店舗が再開して徐々に活気を取り戻している。
創業60年余りの老舗「重慶飯店本館」は、この日から1カ月半ぶりに営業を再開。入店時に消毒と検温をしてもらい、テーブル席は5割程度に間引きするなど感染対策を徹底した。
同店の大串美孝支配人は「お客さまの顔をようやく見ることができて安堵(あんど)の気持ちでいっぱい。再開初日は7割程度埋まった」と胸をなで下ろす。
大通りには、肉まんや小籠包などを食べ歩く観光客も目立ち始めた。およそ2カ月ぶりに夫婦そろって外出したという座間市の男性会社員(51)は「ほぼいつも通りの活気があった」と満足そうな表情を浮かべつつも、万が一に備えて店内では食事をしなかったといい、「まだ抵抗がある。人混みもこれ以上増えると厳しいかな」と吐露した。
【箱根】
昨年の大涌谷の警戒レベル上昇と台風19号被害、そしてコロナ禍と深刻な打撃を受け続けている箱根町でも観光客の姿が戻りつつある。