市民団体「厚木基地爆音防止期成同盟」と第5次厚木基地爆音訴訟原告団は27日、今月実施した厚木基地(大和、綾瀬市)周辺での航空機の飛行に関する調査結果を発表した。調査は9日間行われ、1地点で最大582回の飛行を確認。確認された航空機16機種のうち、海上自衛隊哨戒機P1と米軍ヘリコプターMH60の2機種が、全飛行回数の半数近くを占めた。
調査は3月末の厚木基地から岩国基地(山口県)への艦載機部隊移駐完了に伴い実施。今月10~21日の土日・祝日を除く9日間、大和ゆとりの森、ふれあいの森草柳広場の各駐車場を調査地点として午前9時~午後4時に行った。項目は機種、飛行コース、音の大きさなどで、目視とハンディ型の騒音計を用いる方法で、延べ72人が参加した。
航空機の飛行が確認されたのは、ゆとりの森で582回、草柳広場で579回。少なくとも16機種が確認され、ゆとりの森側ではMH60は136回、P1は131回だった。旋回飛行などが見られたという。
基地周辺自治体による測定結果では部隊の移駐完了後、周辺では、電車通過時のガード下に相当する100デシベル以上の測定回数が前年同時期と比べ大幅に減少している。一方、昼間の主要幹線道路周辺に相当する70デシベル以上は減少幅が小さい。
今回の調査では、両地点で70~90デシベル台が計測されたのは全測定回数の7割程度。音量は風向きや高度などで異なるが、ゆとりの森側ではMH60の飛行中に最大91・7デシベル、P1は同92・5デシベルを計測した。
両団体は「旋回すれば、4、5分程度の間隔で音が響く。70~90デシベル台の騒音をさらになくすことが必要。時期や時間帯などを変えて継続的に調査を実施していきたい」と話した。