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突発噴火への備え、箱根でも課題 避難誘導、火山ガス対策…

社会 | 神奈川新聞 | 2018年9月27日(木) 10:31

立ち入り規制エリアに完成したシェルターの内部。直径30センチ程度の噴石に耐えられる構造という=7月
立ち入り規制エリアに完成したシェルターの内部。直径30センチ程度の噴石に耐えられる構造という=7月

 長野、岐阜両県の御嶽山(3067メートル)で58人が死亡、5人が行方不明となった2014年9月27日の噴火から4年となった。突発的な噴火に対する備えは、県内唯一の活火山、箱根山(箱根町)でも大きな課題だ。御嶽山の教訓を踏まえ、県や町、事業者が安全対策の拡充に努めているものの、噴気活動の続く大涌谷では、外国人を含めた観光客の避難誘導や火山ガスの問題などが積み残されている。

 大涌谷では現在、火山ガスによる立ち入り規制が続く自然研究路の一帯に、県が噴石対策のシェルターを整備中。山梨県富士山科学研究所の吉本充宏主任研究員は「富士山のように、どこに火口ができるか分からない火山にシェルターを造るのは難しいが、(火口が想定される)大涌谷には有効」とみる。14年9月の御嶽山噴火では、山小屋や岩陰に急いで逃れ、一命を取り留めた人が少なくなかったという。

 その半年余り後の15年4月、箱根山で火山性地震が急増。大涌谷の噴気も激しくなり、気象庁が初めて噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き上げた。直前の3月、県や町などが御嶽山の教訓を生かす形で緊急的に取りまとめた大涌谷の避難誘導マニュアルが迅速な規制実施に役立った。

 6月に観測史上初の噴火に至るが、「ごく小規模」だった。火山灰は4キロ離れた地点まで飛散したとみられるものの、規制エリア外に噴石が飛ぶことはなく、人的被害は出ていない。

 ただ、「大涌谷は火口のすぐ近くまで観光客が足を運べ、生活の場も近い」と気象庁関係者は安全確保の難しさを指摘。噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)だが、「規模の小さな噴出現象が突発的に発生する可能性がある」と注意喚起を続けている。


訪日観光客も多く訪れる大涌谷
訪日観光客も多く訪れる大涌谷
 
 

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