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「学校の対応、不十分」 横浜市、いじめ重大事態2件認定

社会 | 神奈川新聞 | 2018年9月18日(火) 22:22

いじめ重大事態の調査結果について説明する横浜市教委の担当者=横浜市役所
いじめ重大事態の調査結果について説明する横浜市教委の担当者=横浜市役所

 横浜市教育委員会は18日、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態調査の結果、市立小学校2校でいじめがあったと認定し、学校の対応が不十分だったとする報告書2件を公表した。学校主体の調査では十分な結果が得られないと市教委が判断。東京電力福島第1原発事故で市内に自主避難した男子生徒がいじめを受けた問題に続き、第三者機関の市いじめ問題専門委員会が調査した。

 市教委は「再発防止を徹底しているさなかだが、各学校の対応が十分とは言い切れない」と釈明。「しっかりと検証し、今後の取り組みにつなげたい」としている。

 報告書などによると、当時3年生だった女子児童が数年前、同級生男女4人から「バカ」などと言われ、髪を切るよう強要されるいじめを受け、年間欠席日数が約100日に達した。転校後、保護者が専門委の調査を申し入れた。

 報告書は、女子児童が教員に悩みを十分に受け止めてもらえなかったと感じるなど、学校の「寄り添った対応」ができていなかったと指摘。児童や保護者の不信感が増したとしている。転校前、女子児童側は医療機関や警察に相談。学校は学校教育事務所に報告し、市教委も事案を把握していた。

 別の1件は2015年度、当時4年生の女子児童が同級生女子3人から冷たくされたり、うち1人との間でどちらがスカートが似合うかのアンケートをされたりした。精神的苦痛から、女子児童は5年生となった16年12月から4カ月間、不登校となった。

 報告書では学校の対応について、他の児童への聞き取りを行い、謝罪の場を設けるなどしたが、女子児童の内面や心情にまで踏み込んだ指導や援助が足りなかったと指摘した。さらに、学校が市教委へ連絡したのが、対応を始めてから約7カ月後だった点を問題視。校長のいじめへの危機意識に「疑問が残る」とした。

 いずれの調査でも被害児童の訴えを裏付ける証拠がなく、いじめと認定できなかった行為もあったが、報告書では内容を明記。1件目の事案では女子児童の上履きにゴキブリの死骸が入っていたこともあった。

 報告書は「いじめがなかったことを認定したのではなく、事実認定が困難だった」と説明。再発防止にあたり、市教委の学校への早期介入、学校・市教委・スクールソーシャルワーカーら専門家によるチームでの支援などが重要とした。

 市教委が調査している重大事態は新たに市立小での2件が追加され、計10件となった。

 
 

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