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「ハマ弁」導入2年で利用わずか2% 迷走でも強気の市

社会 | 神奈川新聞 | 2018年9月14日(金) 23:11

「ハマ弁」献立の一例。(横浜市教委提供)
「ハマ弁」献立の一例。(横浜市教委提供)

 横浜市が全145の市立中学校で導入している配達弁当「ハマ弁」が迷走を続けている。一部導入から既に2年以上たったが、ことし7月の喫食率はわずか2・2%。10%の目標を掲げ、市が取り組む値下げやメニュー刷新などの対策も効果がない。さらに14日には、8月から試行した当日注文が大量の食品ロスを生んでいる実態も判明した。改善の方向性が見えない現状に、市会からは「やめるべき」との声も出始めたが、市は「引き続き、喫食率向上に取り組む」と強気の姿勢を崩していない。

 市立中の希望者に配達する弁当「ハマ弁」は2016年7月に市内12校で導入され、17年1月には全市に拡大された。喫食率の低迷が続いたため、市教育委員会は18年度、ご飯とおかず、汁物、牛乳のセットで、1食あたり470円だったのを340円に値下げした。さらに8月からは、注文は最短で7日前まで、キャンセルも2日前までだった仕組みを見直し、一部の学校で当日注文を試行し始めた。

 「即時やめるべき」。この当日注文の問題点を明らかにしたのは、宇佐美さやか氏(共産)。14日に開かれた市会本会議で、当日注文によって大量の食品ロスが生まれている現状を指摘した。

 宇佐美氏によると、14日間で計950個が廃棄処分された。当日注文と言っても注文を受けてから業者が製造するのではなく、市教委が注文数を予測した上で、当日未明から製造させている。結果、市教委の予測が外れるケースが散見され、用意した33個のうち3個しか利用されないこともあったという。宇佐美氏は「喫食率向上を至上命題とし、廃棄を前提に(業者に)作らせていることを、生徒にどう説明するのか」と指摘。中学校給食に切り替えるよう強く求めた。

 ハマ弁の喫食率は全校展開を始めた当初から0・9%~1%台で推移し、最近になっても2%台にとどまる。一向に上がらない喫食率に、坂本勝司氏(民権フォーラム)は「ネガティブなイメージが広がっている」と指摘、市全体で課題解決に取り組むよう訴えた。

 尾崎太氏(公明)はデリバリー型給食の喫食率が80%を超える他市の事例を紹介。「中学校の昼食はハマ弁を基本とする方針を早期に打ち出し、ハマ弁を利用することが当たり前となるよう要望する」と迫った。

 相次ぐ市議からの苦言にも、林文子市長や鯉渕信也教育長は「ハマ弁はデリバリー型給食と遜色ない内容」「喫食率向上にしっかり取り組む」などと繰り返すばかり。抜本的な解決策を示すことはなかった。

 市教委によると、18年度のハマ弁関連予算は約5億円という。

 
 

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