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地域デビューのシニア男性、頼れる存在に
支え合いの現場から 地域包括ケアの行方 担い手の住民たち(5)

社会 | 神奈川新聞 | 2018年9月3日(月) 08:00

ダックス主催の料理教室で料理の基本を学ぶシニア男性たち=横浜市いずみ野地域ケアプラザ
ダックス主催の料理教室で料理の基本を学ぶシニア男性たち=横浜市いずみ野地域ケアプラザ

 横浜市泉区の生活支援コーディネーターの取り組みで、移動支援と並んで、貴重な成果となっているのが、シニア男性の地域デビュー支援だ。

 高齢男性の引きこもりは、どの地域でも大きな課題となっている。高齢者向けのイベントなどでの参加者は、ほとんどの場合、女性が大半を占める。

 そこで、いずみ中央地域ケアプラザの生活支援コーディネーター加藤達也さん(32)が考えたのが、シニア男性に的を絞った「男性のためのアクティブLife講座」だ。2017年2、3月、「地域デビューのコツ」「網戸修繕」「淹(い)れたてコーヒーの作り方」など計4回の連続講座を開催した。

 すると、延べ70人もの受講者があり、その中から「男性の地域デビューを自らサポートしたい」との声が上がる。同年4月、受講者有志7人によって「男たちの活動グループducks」(ダックス)が結成された。

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 以後、ダックスが主催者、いずみ中央地域ケアプラザは事務局という形に体制を変え、「男性のためのアクティブLife講座」が行われている。17年度はビール工場見学、鎌倉散策、認知症サポーター講座、料理教室など計6回の講座に延べ約90人が参加した。

 メンバーも増え、ことし4月現在で15人。2代目キャプテンの増田正親さん(66)は「本年度は栄養士さんを講師に招いて食の観点から認知症予防を考える講座も開きます。料理教室、社会見学、ウオーキングなども引き続き行います」と語る。泉サポートプロジェクトとのコラボレーションで、福祉施設見学も行う。

 ダックスの活動には、区内6地域ケアプラザが協力し、各生活支援コーディネーターもイベントの支援に携わっている。上飯田地域ケアプラザ生活支援コーディネーター露口能秀さん(48)も、その過程で、移動支援のボランティアに出会うことができた。ダックスの活動は、活動そのもの、支援体制の両面で、区内をつなげる役割を果たしている。

 横浜市の生活支援コーディネーターの活動は18年度で3年目に入った。各コーディネーターは、生活支援コーディネーターという役職を住民に知ってもらうことからスタート。人間関係もゼロから築いていったケースもあった。

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 泉区高齢・障害支援課は同区のコーディネーターについて「2年が経過して住民の認知度が上がり、地域資源の開発の動きも出てきた。頼れる存在になりつつある」と、高く評価する。

 地域の事情は各地域ケアプラザのエリア内でさえ千差万別。高齢化率、住民活動、地域課題もそれぞれだ。また、地域住民の支え合いはもともと自発的に行うものだけに、行政の一環である生活支援コーディネーターがそれを推進するのは本質的な難しさもはらむ。

 加藤さんは「泉区の生活支援コーディネーター7人は、地域資源を立ち上げていくことの難しさを認識していたからこそ、所属法人の枠にとらわれず、協力する空気が生まれ、連携できたのではないか」と語る。超高齢社会の進行で、高齢者の地域生活は今後、ますます困難さを増していく。

 「福祉の枠にとらわれず柔軟な発想で、地域の企業、事業所、ボランティアらをコーディネートし、地域のニーズに応えていきたい」。加藤さんが決意を語った。

<この部おわり>

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