1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 横浜駅西口の浸水、アプリで通知 ホテルや商業施設導入、情報一元化で迅速対応

横浜駅西口の浸水、アプリで通知 ホテルや商業施設導入、情報一元化で迅速対応

社会 | 神奈川新聞 | 2018年8月22日(水) 11:05

河口付近の堤防に設置された浸水検知センサー(右手前)=横浜駅前
河口付近の堤防に設置された浸水検知センサー(右手前)=横浜駅前

 神奈川県内最大のターミナル、横浜駅西口(横浜市西区、神奈川区)の地下街に接続する商業施設やホテルが大学などと連携し、8月から水害対応のアプリを導入した。新たに取り付けた浸水検知センサーのデータや地元の雨量など多様な情報を即時に一元化したのが大きな特徴。川や海に囲まれ、地盤も低い西口は、台風や集中豪雨時の浸水被害に悩まされてきたが、アプリの情報を基に危険箇所を絞り込み、迅速な浸水防止板の設置や営業停止の判断が可能になった。施設間の連携を図りつつ、利用客の安全確保や避難対策の拡充につなげる構えだ。

 新開発のアプリ「AREA RAIN for 横浜駅西口」は、工学院大や東京電機大、土木研究所などが取り組む内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムの中で具体化。地下街と接続する相鉄ジョイナスや横浜高島屋、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズなどが会員の「横浜駅西口共同防火防災管理協議会」が地元普及の旗振り役を務め、8月8日から試験運用を開始した。

 アプリは各施設の防災担当者ら向けで、スマートフォンやパソコンで利用する。

 国土交通省の高性能レーダーが捉えた西口周辺2キロ四方の雨量データを提供。250メートル四方ごとに詳しく表示できるため、知りたい地点の降雨状況をほぼリアルタイムで把握可能だ。

 アプリ開発と並行し、県や市の協力を得て設置した浸水検知センサーは、横浜駅周辺を流れる帷子川水系の河口付近など河川2カ所、排水溝2カ所の計4カ所にある。氾濫や浸水に反応し、スマートフォンなどに知らせる。河川の水位や横浜港の潮位などの現況も確認できるようにした。

 また登録した防災担当者らには、雨量や浸水状況などに応じた緊急メールが配信され、危険な状況を見逃すことがないよう工夫している。

 開発を主導した東京電機大の小林亘教授は「気象庁から発表される気象関連の情報は、対象地域が広すぎて即時の対応には使いにくい。その他の機関から出される内容も含め、横浜駅西口にとって必要な緊急情報を一括して閲覧できる」とアプリの利点を強調。取り組みの全体を統括する工学院大の久田嘉章教授は「試験運用で課題や改善点を洗い出し、将来的には地元が中心となって継続できるようにしていきたい」と今後の展望を明かす。

 横浜駅西口では過去に浸水被害が繰り返し発生。2004年10月の台風22号ではホテルの地下駐車場や飲食店、百貨店の地下施設に浸水し、商品が水に漬かるなど大きな被害が出た。

 より深刻な水害が全国各地で相次ぐ近年の状況を踏まえ、共同防火防災管理協議会の荒巻照和事務局長は「河川を管理する県の治水対策とともに、各事業者の自助としての浸水対策が欠かせない」と危機感を強める。メール配信には既に、各施設の防災担当者ら約80人が利用登録。来年早々にも本格運用を開始し、西口全体の水害対応力を高めていく考えだ。


アプリでは、横浜駅西口の詳細な雨量を確認できる
アプリでは、横浜駅西口の詳細な雨量を確認できる

減災に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング