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小澤俊夫さん<対談>武井由起子さん
伝承・コロナ禍を生きる(中) はびこる祝祭国家主義

社会 | 神奈川新聞 | 2020年5月11日(月) 10:20

 日本社会にまん延しているのはウイルスだけではない─。先の大戦を体験した昔話研究者の小澤俊夫さん(90)は、弁護士の武井由起子さん(53)との対談で今の日本は「祝祭国家主義」と指摘する。根底には敗戦から75年間、私たちがふたをかぶせてきた「タブー」があるという。

 ─新型コロナウイルスに対する政府の対応を批判すると「緊急時なんだから政府に協力しろ」「批判するな」という声が必ずあります。でも、無批判ほど怖いことはありません。


弁護士の武井由起子さん
弁護士の武井由起子さん

 武井 そうですね。大政翼賛会のようです。

 小澤 典型的に表れたのが、昨年の改元と即位の礼だったと思う。批判が出なかったよね。メディアでも、国会でもほとんど議論にならなかった。

 ─前回の平成への代替わりの際は議論があった。

 武井 はい。皇位継承に伴う儀式は神道形式で行われるものが多く、宗教色がかなり強い。一方で憲法20条は「国は、いかなる宗教的活動もしてはならない」と政教分離の原則を定めている。平成への代替わりの際は、憲法に定める政教分離の原則を巡って、国会では大論争となりました。昭和天皇の闘病、崩御という中でもきちんと議論があったわけです。でも、今回はだれかをおもんぱかる状況ではないにもかかわらず、前回できた議論が全くできなくなっている。

 天皇の代替わりに伴う重要祭祀(さいし)とされる「大嘗祭(だいじょうさい)」について、秋篠宮さまが「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか」と苦言を呈しましたが、その発言が顧みられることはなかったですよね。

 小澤 「天皇制が復活した」と感じたよ。安倍政権は完全に「天皇」を功利的に利用したよね。もともと、即位に関する儀式のやり方は明治政府下で作られたものだからね。戦前、大嘗祭は神権的天皇像を国民に知らしめるための儀式だった。今回、それをほとんど同じように復活してやった。新聞もテレビもそういったことに疑問を呈さず「新しい時代の幕開け」と一緒くたに垂れ流した。善良な市民は「これはいいことだ」「正しいことだ」と受け止めちゃうよ。「なんか変じゃない」と思った人はほとんどいないんじゃない。

 武井 お祭り騒ぎでしたよね。思い出すと余計何だったんだろうと感じます。

タブー


昔話研究者の小澤俊夫さん
昔話研究者の小澤俊夫さん

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