2017年(1~12月)に日本に寄港したクルーズ客船で入国した外国人旅客数は200万人の大台を初めて超え、前年比27・0%増の約252万9千人で過去最多となったことが、国土交通省のまとめで分かった。18年の寄港数も増加傾向にあり、主にアジアからのインバウンド(訪日外国人)がさらに増えるとの見通しも出てきた。
17年の客船寄港数も37・0%増の2764回となり過去最多を更新。そのうち日本の船会社の客船は751回だったのに対して、海外の船会社の客船は日本発着クルーズを積極的に運航したことから伸び、2013回と全体の7割以上を占めた。
港別のランキングでは、中国発着のツアーを多く受け入れている西日本への寄港が8割を占めた。特に地理的に近い九州・沖縄が上位10カ所のうち8カ所を占めた。博多港が326回で3年連続1位。長崎港267回、那覇港224回と続いた。
主に欧米系のクルーズ会社が運航する豪華客船の寄港地となっている横浜港は178回で、前年に続いて4位。横浜港は14年まで1位を維持していたが、15年に博多、長崎に抜かれて3位となっていた。18年も中国発着クルーズの増加に伴い、西日本を中心に寄港数の増加が見込まれている。
横浜港を拠点に欧米系の豪華客船で巡る北海道や東北クルーズも外国人観光客に人気が高い。プリンセス・クルーズ社の広報は「乗客全体の3、4割が羽田空港を利用し、欧米やオーストラリア、ニュージーランドなどから来た外国人客」と説明。外国船でのクルーズは言葉や文化の違いに戸惑わずに世界遺産などを巡れることから、訪日観光客の関心が高まっているという。