
新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、県教育委員会は1日、臨時休校を5月末まで延長する方針を明らかにした。緊急事態宣言の延長を見据えた苦渋の決断だが、待ち望んだ“笑顔の再会”は先送りに。「進路を話し合えない」「学習の遅れは免れない」。卒業時期が迫る高校3年生は焦りを募らせ、教員は学びの機会確保に困惑する。感染リスクと向き合う学校現場に、再び動揺が広がった。
カリキュラムに不安
「休校延長は賛成。再開しても今は感染リスクが高く、生徒や保護者の理解を得られない」。県立高校の男性教員(53)は前向きに受け止めつつ、「まだまだ先は見通せない」と不安をにじませた。
学校現場には「ストレスが表れつつある」という。教員は生徒と週1度、ビデオ会議システムで健康状態などを確認。わずか5分ほどのコミュニケーションでも、生徒たちは先行きに対する不安を口にしている。
教員たちも「生徒と顔を合わせられないストレス」を抱えているという。1カ月間停滞している授業は再開のめどが立たず、「カリキュラムは出たとこ勝負。夏休み期間を使ったり、土曜に授業をしたり工夫するしかない」と頭を抱える。
先が見えない中でも、思い描くのは授業再開時だ。「生徒は長い間、我慢を強いられている。授業の進め方は一方的に決めず、彼らの要望を反映してほしい」
相談できず進路心配
「『またか…』というのが、正直な気持ち」
県立高校3年の女子生徒(17)は休校延長に落胆する。