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逗子ストーカー殺人
「新たな被害生まぬ」市提訴で遺族

社会 | 神奈川新聞 | 2016年10月28日(金) 02:00

女性の遺影を手に会見する夫=横浜市内
女性の遺影を手に会見する夫=横浜市内

 逗子市で2012年に起きたストーカー殺人事件で、刺殺された女性=当時(33)=の住所を加害者側に漏らした市に対し、1千万円の慰謝料を求めて提訴した女性の夫(46)が27日、横浜市内で会見した。ストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)被害者の個人情報漏えいが全国の自治体で相次いでいると指摘し、「一つ間違えれば、命を奪うことを肝に銘じてもらいたい。他の市町村でも情報漏えいの重みを受け止めてほしい」と訴えた。

 女性の遺影を持参した夫は「妻は、市役所から情報が漏れたとは夢にも思っていないと思う。法律を守らなかった市には法の裁きを受けてもらわなければいけない」と強調。「新しい被害者を生まないようにするのも僕の役目。世の中の人がストーカーに意識を持ってもらうきっかけになれば」とも語った。

 横浜地裁横須賀支部への提訴は25日付。訴状によると、元交際相手の男=当時(40)、自殺=が探偵業者に女性の住所を割り出すよう依頼。12年11月5日、業者から発注を受けた調査会社の男が逗子市納税課に電話し、夫を装って住所を聞き出した。女性は個人情報の閲覧制限を申請していたが、対応した職員は確認しなかった。

 女性は翌6日、男からの情報を基に自宅を訪れた元交際相手に刺殺された。事件後、男は偽計業務妨害の罪などで執行猶予付き有罪判決を受け、市は女性の個人情報流出を認めて謝罪した。

 
 

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