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危険!「抱っこひも」走行 必ずヘルメット着用を

社会 | 神奈川新聞 | 2018年7月22日(日) 02:00

今回の自転車の状況
今回の自転車の状況

 横浜市都筑区で今月、母親が運転する自転車がバランスを崩して転倒し、「抱っこひも」を使って胸の前に抱えていた1歳児が頭部を強く打って、死亡する事故があった。自転車の2人乗り禁止の例外を規定した県道交法施行細則で、ひもなどで幼児を抱っこして乗る行為は禁止されている。県警は、痛ましい事故の再発を防ごうと、細則の周知や順守の徹底を図る。

自転車転倒、抱っこ1歳児死亡事故 地検、母親を不起訴



 事故は5日朝に発生。保育士の母親(38)は、電動アシスト自転車の幼児用座席に長男(2)を乗せ、抱っこひもで次男(1)を胸の前に抱えて運転していた。県警によると、母親はハンドル付近に傘を提げて走行していたといい、何らかの理由で傘が前輪に引っ掛かり、バランスを崩して転倒したとみられる。母親とヘルメットを着用していた長男は無傷だったが、未着用だった次男は頭部を強打して、約6時間後に亡くなった。

 細則では、自転車に幼児を乗せる場合、16歳以上が運転することを条件に、幼児用座席を使うなどして2人までの乗車を認めている。ひもなどを使う場合は、幼児を背負うことは容認する一方、胸の前に抱えることは「ハンドル操作に悪影響を及ぼし、視界を遮るおそれもある」(県警)などとして禁じている。

 県警は今回のケースについて細則に抵触するとみて、母親を過失致死容疑も視野に捜査。これまでも細則に関し、幼児のいる父母らにイラスト入りの啓発資料を配布するなどして周知してきたとしているが、今回の事故を受け「さらに浸透するよう努める」(交通総務課)としている。

必ずヘルメット着用を

 ただ、抱っこひもによる乳幼児の転落などの事故は、自転車の運転時に限らず散見されている。消費者庁は「細則で認められているとしても、背負うことを含め安全ということではない」と戒める。その上で、致命傷になりかねない頭部を防御する大切さを指摘し、「ヘルメット着用で幼児用座席に乗せるのが基本」との見解を示す。

 子どもの安全確保を考えるNPO法人「Safe Kids Japan」は東京工業大と協力し、おんぶや抱っこの状態で、幼児を自転車に乗せる危険性について検証。人形を使った転倒実験では、転倒の弾みで、運転している人が幼児にのし掛かるような体勢になり、子どもを押しつぶしてしまう可能性があることが分かったという。

 小児科医で同法人の山中龍宏理事長=横浜市泉区=は、事故時のリスクが高いことから「背負うことを含め、ひもなどを使って自転車に幼児を乗せることは規制するべき」と主張する。その上で「自転車は手軽で便利な半面、ちょっとしたことで不安定になる。誰もがひやりとした経験があるはずで、その時の教訓を安全運転に生かしてほしい」と話す。

 県警によると、自転車に同乗していた6歳未満の子どもの死傷者数は2017年に144人。けがをした主な部位では頭部が、4割近い52人で最多だった。

 
 

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