新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、黒岩祐治知事は17日の臨時会見で、新たな感染判明者の居住市町村を20日から公表すると発表した。これまでは県所管の4保健福祉事務所管内にとどめていたが、知事は「注意喚起と感染爆発抑制のため、より正確な情報提供が必須と判断した」と述べた。一方、市町村別の累計患者数は17日に明らかにした。
県はこれまで、「個人が特定される恐れがある」として、居住地を所管する保健所名のみを公表。それぞれの所管地域は広く最大2市8町(小田原管内)に上るなど、一部地域では風評被害のようなケースも生じていた。
知事は「感染者数が少ないときは、公表することで『あの人だと言われるのでは』という声があり、踏み切れなかった」と説明。その上で、「情報を共有してもらうことで新型肺炎を身近な問題と感じ、同じ思いで乗り越えていくことを期待したい」と述べた。
県によると、公表について各市町村からも理解が得られているという。県内の感染者の居住地別累計は、県ホームページにも記載する。