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善意を髪に込めて 子ども用ウィッグ寄付、広がる共感

社会 | 神奈川新聞 | 2018年7月16日(月) 02:00

医療用ウィッグ(手前)を子どもたちにプレゼントしている戸塚貴博さん=川崎市宮前区の美容室アルコバレーノ
医療用ウィッグ(手前)を子どもたちにプレゼントしている戸塚貴博さん=川崎市宮前区の美容室アルコバレーノ

 髪の毛が抜ける疾患のある子どもたちへ医療用ウイッグ(かつら)を贈る活動に、川崎市宮前区土橋で美容室を経営する戸塚貴博さん(46)らが取り組んでいる。活動に共感した客が寄付した毛髪を素材に、約2年間で20個を製作しプレゼントした。31日には、同市で開くチャリティーカット・イベントで、志を同じくする理美容師とともに毛髪の寄付を広く募る。戸塚さんは「ウイッグを着用して笑顔になってほしい」と願っている。

 介護士の資格も持つ戸塚さんは高齢者の訪問理美容に取り組む傍ら、2009年から大阪市のNPO法人が行うウイッグ贈呈の活動に参加。インターネットで活動を知り、脱毛症の相談で来店した幼稚園年長の女の子に16年4月、初めて提供した。以来、3歳児から高校生まで、女の子16人に20個を贈った。

 素材の毛髪は「ヘアドネーション」と呼ばれる寄付で集める。30センチ以上の長さが必要で、川崎市内を中心に女性たちが寄付のために来店。2カ月半ほどで約5キロの重さになると、必要とする人の頭の形、髪の長さやスタイルなどのスペックと一緒に中国のかつら工場に発送し、2カ月ほどで完成品が到着する。

 東京都調布市内のかつらメーカーが活動に協力。戸塚さんが工場に、別の用途がある30センチ以下の毛髪も合わせて提供することで製造費はかからないという。


活動に協力する客から寄付された髪の毛
活動に協力する客から寄付された髪の毛

 戸塚さんは「脱毛症、自ら髪の毛を抜いてしまう抜毛症、抗がん剤治療を受けている子どもたちに、医療だけではカバーできない心のケアをしたい。着用すると、おしゃれに関心を持つ子どもたちの表情が変わる。たくさんは製造できないが、希望する子どもにはできる限り贈りたい」と話す。

 福祉理美容師ネットワーク「Ribinet(リビネット)」の代表を務める戸塚さん。ヘアドネーションに協力する全国で約60店の理美容室が会員制交流サイト(SNS)で連絡を取り合いながら、医療用ウイッグの普及に取り組む。

 リビネットのメンバー約20人は31日午前10時から午後7時まで、川崎市高津区溝口の市生活文化会館(てくのかわさき)で開かれるチャリティーカット・イベントで毛髪の寄付を募る。

 問い合わせは、美容室アルコバレーノの戸塚さん電話044(948)9588。

 
 

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