新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、外国にルーツを持つ親子の困窮が深刻さを増している。失業や収入減で毎日の食事にも事欠く例も少なくなく、成長期の子どもに及ぼす影響に支援者らは心を痛める。混乱の中、提供される情報は日本語に限られ、「情報弱者」に追い込まれている実情も。支援の現場では「実効性ある策を」との声が日に日に高まっている。
情報弱者 DVや虐待も
「こんなに即、影響が出るとは」。外国籍などの子どもや保護者を支援するNPO法人在日外国人教育生活相談センター・信愛塾の竹川真理子センター長はため息をつく。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校措置や外出自粛要請が続く中、特に緊急事態宣言の発令が取り沙汰され始めた今月からは相談件数が増加。実感では、通常より「2割ほど多い」という。
県内外の当事者や行政、学校などから電話で寄せられる相談は、滞在超過の母親からの子どもの医療に関する不安や、「仕事を失った」という声など切実だ。ホテルの清掃の仕事を顧客減で失ったフィリピン国籍の女性は、「今後の生活をどうすればいいか」と訪ねて来た。ストレスでまぶたのけいれんなど身体症状が出る人、抜毛などの自傷行為に走る人もいた。