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横浜・旧大口病院点滴殺人
消毒液注入、複数の手口 勤務外で死亡狙う?

社会 | 神奈川新聞 | 2018年7月12日(木) 02:00

事件の起きた旧大口病院=横浜市神奈川区
事件の起きた旧大口病院=横浜市神奈川区

 横浜市神奈川区の旧大口病院(現・横浜はじめ病院)で2016年9月に入院患者の高齢男性2人が相次ぎ中毒死した事件で、殺害された男性=当時(88)=の体内に消毒液を混入させたとして、殺人容疑で逮捕された同院の元看護師久保木愛弓容疑者(31)が、混入の手口を使い分けていた疑いがあることが11日、捜査関係者への取材で分かった。
 
 捜査関係者によると、男性の遺体からは消毒液に含まれる殺菌作用の強い界面活性剤の成分を高濃度で検出。一方で押収した男性の点滴袋からは、消毒液の成分が検出されなかった。このため、神奈川署特別捜査本部は、同容疑者が点滴袋からでなく、医療器具を用いて点滴チューブに注射器で直接、薬剤を注入する方法で、男性を殺害した可能性があるとみて捜査している。
 
 一方で事件発覚後、同容疑者が勤務する4階病棟のナースステーションに保管されていた点滴袋のうち、約10袋のゴム栓に注射器で開けたような穴が見つかり、一部の点滴袋からは界面剤の成分が検出された。医療関係者によると、器具を使って直接、チューブに注入する方法の方が、点滴袋からの投与に比べて短時間で体内に取り込まれるため即効性がある。
 
 同容疑者は「患者の死亡を遺族に説明するのが苦手で、自分がいない時に死んでほしかった」との趣旨の話をしており、特捜本部は、同容疑者が自分の勤務していない時間帯に患者が死亡するよう、複数の方法を用いてタイミングを計っていた可能性があるとみて、捜査する。

 また、事件当時、4階病棟に勤務していた看護師のうち、同容疑者の看護服のポケット部分からのみ消毒液の成分が検出されたことも捜査関係者への取材で分かった。消毒液入りの注射器をポケットに入れていた可能性があるとみて、調べる。

 
 

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