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【はれのひ元社長逮捕】被害者「やっと」「十分な刑罰を」

社会 | 神奈川新聞 | 2018年6月23日(土) 21:16

約70人の債権者が出席した「はれのひ」の債権者集会=横浜市中区の市開港記念会館
約70人の債権者が出席した「はれのひ」の債権者集会=横浜市中区の市開港記念会館

 「一生に一度の舞台」は、なぜ台無しにされなければならなかったのか-。成人の祝典から5カ月余り。親と子双方に深い心の傷を負わせた振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」の経営破綻は、元社長の逮捕で刑事事件に発展した。巻き込まれた新成人や家族から上がったのは、真相解明と刑事責任の追及を願う切なる声だった。

 「風化が進むのが怖かった。やっと、という思い」

 長女(20)が今年の成人式で着る振り袖のレンタル契約を結んでいた横浜市港北区の女性会社員(45)は、元社長(55)の逮捕のニュースに触れ、思わず漏らした。

 同社に約18万円を支払うも、式当日に着付け会場で営業取りやめを知った。急きょ別の業者に依頼できたが、「周囲の友人が晴れ着姿の中、業者のせいで1人だけ着られなかったら、娘はみじめな気持ちになっていたと思う」と憤る。

 1月に開いた会見では、自身にも子どもがいると明かした元社長。「人の親なのに、なぜあんなことができたのか」。直接ただしたいと女性は、今月20日に同市中区で開かれた債権者集会にも足を運んだが、元社長は欠席。不誠実な姿勢に怒りを覚えた。「今後は逃げずに、正直に話してほしい」。県警が捜査に乗り出した金融機関に対する詐欺容疑を足掛かりに、一般客の被害の立件にも期待を寄せる。

 茨城県に住む大学2年の女子学生(19)は元社長の逮捕でも、不満は晴れない。新たな門出を祝う衣装に、わが子を思う親の心遣いを感じているからだ。

 同社からのレンタルを決めたのは、鮮やかな花柄があしらわれた紺色の振り袖。来年に迎える成人式用にと、母と相談しながら試着を重ねたが、手元に届かず、母が支払った約30万円も返金はない。

 「何とか用意するから、気にしなくていいからね」。母は気丈に言い、別の業者から新たな振り袖を6万円で購入してくれた。今は誰よりも当日の晴れ姿を楽しみにしてくれている。女子学生は「被害に遭ったのは、私よりもお母さんの方。お母さんのお金を返してほしい」と訴える。

 娘の来年の式用に晴れ着を購入した東京都日野市のパート女性(52)は言う。

 「今年成人式だった女の子たちは、もう二十歳のあの日には戻れない。捜査を尽くし、せめて十分な刑罰を与えてほしい」

 
 

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