新型コロナウイルスの感染拡大に伴う学校の臨時休校開始から1カ月余り。小中高生が放課後を過ごす「放課後等デイサービス」は障害児者の居場所となり、心のケアも担ってきた。不安に見舞われた障害のある子どもたちが取り戻した笑顔を前に、事業者らは「この場所の役割、価値を再確認できた」と実感を込める。
3月下旬。午後6時を過ぎてすっかり日が沈んだ横浜市内の住宅街で、事業所の明かりが煌々(こうこう)とともる。職員の島田朝久さん(47)はボール遊びに興じる子どもたちを見守り、「日常の日々がどれだけ尊いことか痛感した」とかみ締める。
春休み期間中の開所は午前8時半。閉所は通常午後5時までだが、島田さんの事業所は「家族の負担を和らげたい」と、保護者の求めに応じ、最大2時間延長している。努力のかいもあり、利用率は休校開始当初の5割程度から8割まで戻ってきた。
何よりも「子どもたちに会えない時間が辛かった」。