就労を希望する障害者の支援を行う神奈川障害者職業能力開発校(相模原市南区桜台)は2017年度から、精神障害者訓練コースの定員をこれまでの年間10人から20人へと倍増する。ここ数年、定員に対して3倍程度の倍率が続いていたことから、ニーズに合わせ就労支援を強化する。
同校は障害者の職業訓練を行うために設置された国立県営の公共職業能力開発施設。職業能力開発促進法に基づき、身体、知的、精神障害のある人を対象に職業人として自立できるよう必要な能力開発を無料で行っている。
訓練期間はコースによって異なり6カ月~2年間。コンピューター利用設計システム(CAD)を使う機械エンジニアや電子・情報系のIT技術者の養成、グラフィックデザインやビジネスの一般事務など全9コースが設置されている。
同校では精神障害者を対象としたコースを09年度から設置。コースは6カ月制で、パソコン操作や簿記などを学び、ビジネスマナーや服薬管理などを含めたセルフマネジメントに力を入れている。14年度に修了した12人のうち7人が病院やメーカーなどの事務職として就職した。
同校全体では、修了者67人のうち57人が就職。就職で中退した人を含めると、入校者97人に対して計82人が就職する実績を上げている。
同校は「障害者の方の就職環境はよくなっているが、就職後の長い人生も見据え、必要なスキルやきちんとしたビジネスマナーを身に付けることが大切。当校では、就職からその後の定着支援まで、全力でサポートする」と、応募を呼び掛けている。
同校は31日まで17年度訓練生を募集している(精神障害者訓練コースは来年1月10日から)。問い合わせは、同校電話042(744)1243。