
志村けんさんの訃報を受け、インターネット上で「殺したのは中国人」「怒りの矛先を中国人に向けるべき」といったへイトスピーチが広がっている。中国人への暴力につながる恐れがあり、政府にはヘイトクライム(差別に基づく犯罪)の防止策が求められる。
ツイッターでは「日本に来た中国人全員死刑」「中国人を殺し罪を贖あがなわせることならできる」などの虐殺扇動までがあふれている。
ヘイト問題に取り組む翻訳家の植田祐介さんは「近所の中華料理屋やコンビニ店で接する中国人の顔が浮かんだ。差別発言を投げつけられ、暴力を振るわれるのではないか、と」。違反投稿の通報を呼び掛けたが、ツイッター社による削除は十分なされていない。
3月上旬には横浜中華街に「中国人は細菌だ。早く日本から出ていけ」などと脅迫する封書が送りつけられ、政府は何ら対応しないばかりか、麻生太郎副総理が「武漢ウイルスと呼ぶべきだ」と憎悪をあおる発言を行っていた。植田さんは「災害や事件のたびマイノリティーに対するデマと攻撃が繰り返されている。法規制はもちろん、それ以前に政府やメディアが差別を非難するメッセージを出さなければ抑えられない」と話している。
おことわり 記事には中国人に対する差別的な文言がありますが、そのまま報道します。差別の実態を共有し、あらゆる差別を許さない社会をつくっていく一助とするためです。