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元気な団地、世代超えて 70代が奮闘、介護予防にも効果
支え合いの現場から 地域包括ケアの行方  福祉村の実践(4)

社会 | 神奈川新聞 | 2018年6月1日(金) 05:00

小学生の国語の音読の聞き手をするボランティアの鈴村さん(左手前)=平塚市横内公民館
小学生の国語の音読の聞き手をするボランティアの鈴村さん(左手前)=平塚市横内公民館

 金曜日の午後、平塚市立横内小学校の隣にある横内公民館に、授業を終えたばかりの児童が集まってきた。横内地区の「町内福祉村」が週1回行っている学習支援(宿題教室)に参加するためだ。

 広間に上がると、さっそくランドセルから教科書やノートを取り出し宿題に取り掛かった。分からないところを元教員のボランティアに教えてもらったり、友人同士で教え合ったり。この日は児童44人が参加。福祉村の子ども支援部会の6人と先生役ボランティア6人が、子どもたちの勉強を助けた。

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 元高校教員の井上稔さん(74)は2016年から先生役を務めている。「横内地区の子どもはおとなしくて、いい子が多い。道で会うと、あいさつしてくれるようになった。小学生は大きく成長するので教えがいがある」と笑顔を見せる。

 そして、国語の音読の相手をしているのは元小学校教員の鈴村幸司さん。84歳だ。イントネーションや漢字の読みを教えながら、「とてもよくできたね」と児童を励ました。「子どもたちは勉強しようとここに来てくれる。感動しています」

 「小学生は人生で一番生き生きしていて発展性のある時。一緒にいると刺激になる。ここに来ると気持ちもぴしっとなります」と話した。児童たちも「勉強を教えてもらって楽しい」と元気な声を上げた。

 横内地区町内福祉村の活動について、地域包括支援センター「サンレジデンス湘南」(同市田村)の松田容代センター長は「高齢者のボランティアにとって、活動自体が貴重な介護予防になっています」と指摘する。福祉村のボランティア活動では70代以上の活躍が目立つ。ごみ出しなどの生活支援も70代が担っている。「横内地区は特に男性が頑張っています」と感心しきりだ。

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 そして、福祉村のもう一つの重要な特徴は、「非常に高齢化している」(松田さん)という県営横内団地を地域全体で支える仕組みになっていることだ。どの地域でも、団地の高齢化、特に公営団地の高齢化は大きな問題だ。支え合いの崩壊に直結するからだ。

 1967年に誕生した横内団地には、横内地区3700世帯(8543人、2017年4月1日現在)の約3分の1に当たる約1200世帯が暮らす。横内団地連合自治会長の金陽二さん(72)は「1人暮らしの高齢者が多く、特に男性は行く所がなかった。福祉村には本当にお世話になっています」と話す。

 福祉村のサロンや生活支援の利用者には団地の高齢者が多い。一方、ボランティアは団地以外の住民が多いという構図も生じている。

 しかし、初代村長(運営協議会会長)の小宮覬一さん(77)は「子どもの学区なども同じで、長い付き合いがある。お互いさまだ」と力強く語った。

 ◆県営横内団地 1967年に入居が始まり、1971年に現在の規模(50棟、1360戸)になった。49棟がエレベーターのない4~5階建て。1棟が2階建て。同団地の高齢化が進んだことで、横内地区の高齢化率は29.38%(2016年1月1日)で、市全体の26.30%(同)を上回っている。同団地では高齢化によって隣同士の助け合いが難しくなっているほか、エレベーターがないため、高齢者の在宅生活が厳しくなっている。

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