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支え合いの現場から
地域包括ケアの行方(1)人口減の三浦・城ケ島「診断」は

社会 | 神奈川新聞 | 2018年5月21日(月) 02:00


ヘリコプターによる遊覧飛行で望んだ城ケ島大橋(中央奥)
三浦市の城ケ島(中央奥)

 世界にも例のない人口減と高齢化に対応するため、国と市町村は、地域の力で高齢者を支えようという地域包括ケアシステムの構築を急いでいる。しかし、現実の地域は、市町村レベルでも自治会レベルでも千差万別。そもそも“消滅”の可能性を指摘される市町村さえある。少なくない地域や住民が、生き残りを模索するのに精いっぱいの状態だ。「介護の現場から~地域包括ケアの行方」では、厳しい現実の中で地域の支え合いを築こうと苦闘している現場を歩く。

 「本当によく調べている。知らなかったこともたくさんあった」

 三浦半島の南端、三浦市の城ケ島の住民が口々に感嘆の声を上げた。同市社会福祉協議会が2016年末に作成した「地域包括ケア推進のための地域診断書 城ケ島区の場合」(A4判、41ページ)への感想だ。


 地域診断書の作成は、同社協が16年度から取り組んでいる。地域包括ケアシステムの構築に向け、地域の実情、ニーズ、足りない資源・サービスを徹底的に把握しようという試みだ。

 社協が受託している地域包括支援センターおまかせの生活支援コーディネーター斎藤清香さんを中心に、社協の職員が地域の一軒一軒を訪ね歩き、暮らしぶりや困りごと、助け合いの仕組み、老人会やボランティア団体といった住民活動の状況などを聞き取っている。

 「地域の良いところ、どんな地域になってほしいかを必ず聞いています。実際に会うことで、アンケートでは聞けないことも話してもらえます」と斎藤さん。住民一人一人とつながりができることも大きな財産だという。

 地域診断書は、1冊の冊子に、地域の人口構成や産業、交通事情などの基本情報のほか、区長や民生委員、老人会役員らのインタビュー、公開可能な主な聞き取り調査結果、住民団体の活動状況、道路の状態など地域のバリアフリー状況などをまとめた。

徹底した調査で地域の実態を明らかにしている地域診断書
徹底した調査で地域の実態を明らかにしている地域診断書

 16年3月に、日の出、入船、仲崎、花暮の4地区(15年9月1日現在、849人、410世帯)版が完成。同年末には城ケ島(16年7月1日現在、人口481人、213世帯)版ができた。社協の佐藤千徳常務理事は「まず三崎地区の調査を進め、将来的には全市の地域診断書を作成したい」と話す。

 ただ、地域診断書は、厳しい現実を住民にあらためて突き付ける結果にもなった。

 「10年後にはどうなっているのだろうか」。住民の重苦しい言葉だ。

 ◆地域包括支援センターおまかせ 三浦市の2カ所の地域包括支援センターの一つ。市社会福祉協議会(川﨑喜正会長)が受託し三崎地区を担当。もう1カ所は「はまゆう地域包括支援センター」(初声・南下浦地区、社会福祉法人啓生会)。

※この記事は2017年4月に紙面掲載されました。人物の肩書きなどは取材当時のものです。

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