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藤沢に農家レストラン誕生 特区活用し行政、銀行も支援

社会 | 神奈川新聞 | 2018年5月20日(日) 11:19

「農家レストラン いぶき」のオープニングセレモニー。冨田社長(右から3人目)や斎藤健農相(同2人目)らがテープカットを行った=藤沢市遠藤
「農家レストラン いぶき」のオープニングセレモニー。冨田社長(右から3人目)や斎藤健農相(同2人目)らがテープカットを行った=藤沢市遠藤

 藤沢市遠藤地区の農地に、農家レストランが誕生した。その名は「農家レストラン いぶき」。農地への店舗開設を特例で認める国家戦略特区を活用した事業で、全国では6例目、関東では初となる。構想から3年。自治体や金融機関の“支援”を受けながらようやく実現した開業に、地元からは喜びと期待の声が上がる。

 「やっと、やっと、やっと、このレストランができました」

 19日、レストランで開かれたオープニングセレモニー。農家レストランを運営する「株式会社いぶき」社長の冨田改さん(72)の顔は晴れやかだった。

 冨田さんが、農家レストランの開業に向けて動きだしたのは2015年6月。特区制度を用いて農地を有効活用する事例を聞き、知り合いの農地所有者らと農業法人を設立。16年4月、同市遠藤の農地で農家レストランを開設する計画を国に申請し、認められた。

 当初は、この特例措置で農家レストランが開業できると思っていたが、そこには「思わぬハードル」が立ちはだかった。

 レストランの開業予定地は、市街化を抑制する「市街化調整区域」に当たる。都市計画法上、同区域に建物を建てることは原則、認められず、農家レストランもその例外ではなかった。

 暗雲が立ち込める状況で、力を貸してくれたのは地元の金融機関と自治体だった。

 横浜銀行は、造園会社を経営する冨田さんが「長年の顧客」だったこともあって融資を決定。「農業と地域の活性化につながるのであれば応援したい」と、事業計画の作成などでサポート役を担った。

 さらに、藤沢市も「地域資源を生かした新たな産業創出を促進したい」と、市独自のルールづくりに着手。農家レストランの認定項目をまとめた「設置要項」や、市街化調整区域に農家レストランを建築する場合の独自基準をつくった。そうしたことから17年6月、県開発審査会で農家レストラン建設の承認がようやく下りた。

 「本当にたくさんの人の支えや指導があり、今がある」と冨田さん。この日のセレモニーには、農業や自治体関係者ら100人余りが出席。同行や市の現場担当者らも参加し、冨田さんと共に汗を流した日々を振り返り、手を取り合った。

 遠藤地区には、いまも豊かな緑地が広がる。「少年時代、秋には黄金色に輝いた田園を見ながら、キノコ狩りを楽しんだ。そんな素晴らしい自然と大地が変わらずに残っている」

 四季折々の草花や樹木に囲まれたレストランは24日にオープン。地元の農産物を使った料理をビュッフェスタイルで提供する予定だ。

 冨田さんは言う。「多くの人の夢と希望が詰まったスタート。この地で農業の振興を図っていきたい」

 ◆農家レストラン 国家戦略特区の「地域農畜産物利用促進事業」を活用し、農用地区域内に建設が許可されたレストラン。レストランでは、農業や畜産業を営む者が、自身の生産物や地域の農畜産物を主な材料として料理を提供する。


古民家の柱などを再利用した「農家レストラン いぶき」。地元の農畜産物を使用した料理をビュッフェスタイルで楽しめる
古民家の柱などを再利用した「農家レストラン いぶき」。地元の農畜産物を使用した料理をビュッフェスタイルで楽しめる

古民家の柱などを再利用した「農家レストラン いぶき」。地元の農畜産物を使用した料理をビュッフェスタイルで楽しめる
古民家の柱などを再利用した「農家レストラン いぶき」。地元の農畜産物を使用した料理をビュッフェスタイルで楽しめる

オープニングセレモニーで振る舞われた料理。開業後も、新鮮な地元野菜などを使用した料理が楽しめるという
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