がんと闘病中のスノーボーダーがいる。平塚市教育委員会スポーツ課の渡部亮さん(38)。再発の恐れがある中で自己と向き合い、昨年冬の全国大会で自身最高位の2位に輝いた。「スノーボードがあったから、どん底にいた自分もはい上がれた。誰もが夢を持ち、生き生きと過ごせる社会をつくりたい」。そう強く願う。
先月4日、再検査で腫瘍が見つかった。後日、良性と診断されたが「いつ再発してもおかしくない状態とは言われています」と気にするそぶりは見せない。
「人生一度しかないからこそ、好きなスノーボードをとことんやってやろうと思っています」。今は心からそう言える。ただ、がんと診断された時は前向きになれなかった。
雪よりも海が好きだった。3歳から両親の趣味に合わせてスキーで滑っていたが、中学生の頃はボードを片手に波に向かうサーファーだった。
それがサーフショップに置いてあったスノーボードを目にして変わった。乗り始めたのは15歳。それからは