横浜市は13日、病棟の老朽化や狭あい化が課題になっている市南部病院(同市港南区港南台)を、近くの旧港南工場敷地に移転すると明らかにした。運営する済生会と本年度中に基本協定を結び、2027年の開院を目指すという。
13日に開かれた市会健康福祉・医療委員会で、市側が報告した。
敷地は、現在地から約1キロ離れた市有地約4万平方メートルで、稼働を停止した市資源循環局の焼却工場がある。市医療局は「面積が十分で、幹線道路(環状3号線)に面しており、救急車両のアクセスも良い。『港南台地区から移転しないでほしい』との地域の要望も踏まえて判断した」と説明する。
協定締結後、市が同会に用地を無償で貸し付け、同会が新病院を建設する。約4万平方メートルで試算した事業費は約310億円で、うち約23億円を市が負担。焼却工場の解体は22年から開始する予定。
同局によると、同病院は1983年、地域中核病院の第1号として開院。延べ床面積は2万9422平方メートル、1床当たりの面積は59平方メートルで、市内に六つある地域中核病院の中で最も狭い。
新病院は延べ床面積を4万~4万5千平方メートル程度確保し、病床数は現在(500床)と同規模程度を維持する予定。1床当たりの面積は80~90平方メートルに広がる。