元県職員の男性が1972年に受けた懲戒処分を不服とし、県人事委員会に審査請求を申し立てた裁決に約45年要したのは違法と訴えた訴訟で、県が上告を断念したことが8日、分かった。東京高裁判決は、裁決を取り消して県に慰謝料20万円の支払いを命じた横浜地裁の一審判決を支持し、県の控訴を棄却。同日が上告期限だった。
黒岩祐治知事はコメントで、「判決内容を精査したが、憲法解釈の誤りなどの上告理由に該当しない」と説明。「控訴審判決を受け入れざるを得ない結果は大変残念」とし、二度と同様の問題が起こらないよう努める意向を示した。
判決によると、男性は職員研修を妨害したとして、72年2月に減給処分を受け、同3月に審査を請求。県人事委員会は2012年7月に審理を始め、17年3月に請求を棄却する裁決をした。